それが彼とだと、気がねなく何でも話すことができたんです。もちろん、男子と話せたってこと自体うれしいんですけど、男女通じて、こんなに自分を出して話せる人って、初めてだったんです。
それだけに、彼とは「友達以上の友達」…いや、本当は「恋人以上の友達」でいたかったのかもしれません。
その日は結局答えられなかったんだけど、今度彼に言われたら、自分の考えはこうなんだってはっきり言おう…と決心しました。
そして、再び彼に会う時が来ました。
彼はいつもと同じように歩きました。わたしも、いつもと同じように彼と話をしました。
しばらくして、二人とも話が途切れて少しの間ができると、彼の足が止まりました。
わたしは、少しドキッとして、彼を見ました。
彼は、何か考えるように空を見上げてからすぐに、一つ大きな息をして、言いました。
「俺のこと、どう思ってる？」
わたしは、はっきり言わなければいけないと思いました。
できれば、最後の一言を言う前に、それまでに自分でいろいろ考えていたすべてのことまで、言ってしまいたかったんだけど、結局短い一言しか言えませんでした。
「わたしは…あなたとは『友達以上の友達』でいたい…。」
「恋人以上の友達」ってほうの言葉は、使えませんでした。恋人って言葉を使うことにさえも、どこか引っかかるものがあったのかもしれません。
でも、それを言ってから、ひどく後悔しました。
彼にとって「友達以上の友達」って言われ方は、どういう受け止め方になったのだろうかと…。
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