11:00 駅特設会場のハイビジョンでジャンプを見る。
バスは折返し運転。
しかし、当然ながらこんな時間に長野に戻る奴はいない。
帰りのバスを案内してくれた係のお姉さんのやさしさが、唯一の救いか。
バスの一番前に乗って、朝からの疲れをいやすかのように眠りこけた。
帰りは１時間ほどかかった。
朝の乗り場と同じ所に止まった。
これからバスに乗ろうとしている人たちの中をかきわけつつ抜け、
さあこれからどうしようかと考える。
でも、どうやら帰るしかなさそうだった。
そうそう、駅の中に「ハイビジョン」があったっけ。
それでノーマルヒルの結果でも見て、
あとは駅弁食べて帰ろう。そうしよう。
そう決めて、駅の中に入っていった。
ハイビジョン前にはまだあまり人がいなかった。
多少距離をおいてその画面を見ていた。
もうジャンプ（ノーマルヒル）は終わりかな、と思っていたら、
ちょうど2回目が始まった頃だった。
アナウンサーの声で、「1回目を終わって原田が1位につけています」と聞く。
# 正直、2回目もダントツで飛べるとは、この時点で既に思わなかった。
# （原田さん、ごめんなさい…）
また、日本人選手がみんな上位につけているということで、
それを知ってか2回目のジャンプが進むにつれて人だかりも多くなってきた。
そのうち、画面の真横（つまり上の写真を撮ったあたり）にまで近づくことになる。
やがて、ＴＶカメラやスタッフ、そして、レポーターの清水アキラまでもがやってきた。
自分も別の女性アナウンサーにマイクを向けられたが、大したことは言わなかった。
確か、船木が飛んだ後に聞かれて、「きれいなフォームですね」みたいなことを、
知ったかぶりな口調で言ったように思う。
生中継だったようで（清水アキラはＮＨＫのレポーターだったかな？）、
自分が映ったのかどうかは不明。
もうジャンプも佳境に入っていて、時間的には十数分の話。
最後の原田の失敗ジャンプの後、ため息と共に人だかりは消えていった。
その短い時間の中で印象的だったのは、女の人と清水アキラとの会話。
清水「どちらからいらしたんですか。」女「××です」（確か関東だったと思う）
清水「せっかく長野まで来て、ハイビジョン見てるんですか。」（会場笑）
しまった。俺もか。
11:39 帰りの新幹線に乗る。
帰りは、そのまま駅の新幹線のホームに向かって、待機している適当な新幹線の一番前に乗り込んだ。
本当は、携帯用ラジオをどこかで買うついでに、長野観光でもすればよかったのだが、
どちらかというと失望感の方が強かったので、もうあまり動く気がしなかったのだ。
土産は、会社用に「雷鳥の里」（評判がいいし、自分で食べるのも好きなので）と、
自分用にスノーレッツのマグカップを買っただけ。
というのも、できれば次の土日にも長野を訪れようと思っていたから、
本格的には買わないでおくつもりだったのだ。
それでも多少、もう来ないかもしれないという気持ちがはたらいていたのも事実。
そのため、最低限の土産を買ったのだった。
新幹線の中では「笹の葉寿司」を食べた。結構腹も減っていたので、むしゃぶるように食った。
発車前に食い終わってしまい、あとはほとんど寝てた。
13:10 大宮到着。
本当は、このまま家に帰るルートをとるはずだったのだが、
一応金券ショップの様子を見ようと、埼京線に乗り換えて新宿に向かうことにした。
その日は昼になってからも晴れていたので、長野仕様で着込んでいた自分は、体温が結構上昇していた。
まずは新宿にて。2軒ほどのぞいたが、はっきりいって皆無に近かった。
きっとほかも同じであろう。そう確信した。
じゃあ次回の土日は、はじめから外側から見る計画を立てよう。そうすることにした。
そのためには、ラジオは必須。
なわけで、ヨドバシカメラで小さなラジオを買う。
山手線に乗り、念のためもう1軒の金券屋を見るために新橋へ。
しかし、新橋の金券ショップは、休日はやっていないらしい。
むう。さすがにもう疲れきって、とぼとぼと駅に向かい始めた。
その途中、カラオケ屋の前を通ると、バイトらしき若い兄ちゃんが、
自分の前を横切ってそのカラオケ屋に入っていった。
「おい、金メダル、金メダル！」「スキーか。」「上村とかいうあの子？」「違う、もう一人の方。」
なにいいい！
新橋の公園のベンチで、先ほど買ったラジオをさっそく開けた。
AMではなかなかやってる局が見つからなかったので、
TVの音声で聴くことにした。
確かに、金メダルだった。里谷がモーグルで金メダルをとったのだ。
この瞬間は、悔しかった。
何が悔しかったって、そのメダルを取るまでの過程を見られなかったこともそうだが、
自分は一度あの会場に行っているのだ！
そのことが悔やまれてしょうがない。
ラジオとオペラグラス、サングラスも…ちぇっ。
しょうがないので、駅前のディスカウントショップでビデオテープ3本セットを買い、電車に乗り込んだ。
その途中で、思った。もう一つの目的がひらめいたのだ。
「号外をもらおう！」
実は今まで、号外をもらったことがない。
一番惜しかったのは、ダイアナ妃が亡くなった時、ちらっと号外という声を聞いたのだが、
もらいそこねていた。
それ以外にも、ほかの人たちが号外を手にしていることが何度かあって、
その連敗くらいは無くしてやろうと思ったのだった。
場所は、自分が行き慣れている池袋。
池袋駅前はまだ静かだった。
以前に配られたことのあるのを目撃したのは東口。今回もそこで待つことにした。
駅前で、他人を待ち合わせするふりをして号外を待つ。
今考えると間抜けである。
そして待つこと約10分。号外をついについに、手に入れたのである！
バンザーイ！
里谷の金のよろこびも重なって、非常にうれしい気持ちのまま、家路についた。
結局、そういうわけで、ほとんどはTV（←ハイビジョン含む！）とラジオで見たというだけに終わりました。
実際にも見に行ったけれども、見ることができたのは「外郭」からだけ。
「外郭観戦記」という題名はそういう意味でつけたのでした。
というタネ明かし？をして、終わります。
長野オリンピック外郭観戦記 vol.4 終わり